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2019年度カナダ語学研修8日目「ミニチュア」

2019.7.15

中・高共通関連

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プリセラがノックダウンした。昨日の晩御飯はインディアンスパゲッティであった。

彼女は、自ら皿に盛ったわずかな量を食べて、席を立ちました。辛かったのです。ステラが本気を出しすぎました。実際、ステラもヒーヒー言っていました。しかし、この辛さは、主として唐辛子によるものでした。これならば、私も大いに耐性があります。日頃、無造作にぶち込まれるスパイスには出会ったことのない味わいがあり、時折面食らいます。ただし、唐辛子ならば話は別でしょう。私にとっては、インディアンスパゲッティは、食欲をそそるに十分な美味しさを備えた料理だったのです。とは言っても、ふんだんに放り込まれているパプリカの水分と甘さに、本気で救いを求めるほどの辛さではありました。そこで、プリセラの思いを背負って、モリモリ食べます。何度トングを握ったか知れません。とにかくモリモリ食べます。ホストファザーは驚きを隠せないようでした。気合の足りないカレーをスプーンで食べる島国から来た若造が、インディアンスパゲッティをモリモリ食べている。結果的に私は、「スパイス耐性インド級」の称号を得ました。

食後に、プリセラのご機嫌をとるため、マンゴーラスマライというデザートが出されます。マンゴーミルクの中に固形の何かが浸っています。固形のこれは何だと尋ねると、豆腐のようなものだよと言います。豆腐を何だと思っているのでしょうか。黙って食べます。固形の何かは頑固なスポンジ状であり、マンゴーミルクは劇的な甘さです。プリセラは美味しそうに頬張っていました。私のターンはインディアンスパゲッティで終了です。あとは頼んだプリセラ。

驚くべきことに、その晩、明日は親戚の結婚式だから、自由に過ごしていいよと告げられます。結婚式の期日は前日に決まるようなものではありません。ともあれ、丸一日自由に動けるのははじめてです。ワクワクしてきました。

10時30分頃に目が覚めます。随分寝ました。妙に騒がしいと思ったら、ホストファザーが水槽の掃除をしていました。これまでの水槽の状態では確認できなかった魚たちの姿もありました。はじままして。

ホストファミリーが向かう教会は、ダウンタウンにあるため、車に乗せて行ってもらうことになりました。ブランチを済ませて12時30分に家を出ます。ダウンタウンに着くと、ホストファミリーと別行動開始です。家の鍵を受け取りました。

さて、コーヒーでも飲んで落ち着こうと思います。昨日、注文がガタついた「Murchie′s」に向かいます。今日はタルトも頼んでみました。タルトは3種あり、プライスカードにはフルーツタルトとしか書かれていないことに、注文寸前に気づきます。慌てるあまり、「ブルーベリー」という概念が一時的に消えます。そうだ、ブルーベリーは日本でもブルーベリーだ。不自然な間ののちに、注文ができました。

店内でゆっくりしようと思います。コーヒーは昨日飲んだものと同じものですが、やはりカップで飲む方が断然美味しいですね。タルトの質量ばかりが目立つフルーツタルトは許せないのですが、これは違いました。タルトのもっさり感を水分で打ち消すだけのブルーベリーを備えています。私の中ではタルトの土台とフルーツは、ちょうど、ライスとカレーのルーのような関係にあります。適切なバランスがあります。このタルトはそのバランスを体現していました。「Murchie′s」、すっかり気に入ってしまいました。

次は、「Roots」という洋服屋に向かいます。日本にはまだ出店していないようです。何度か試着し、長い時間滞在しました。すると、これまで心配してくれて色々と手助けをしてくれていた店員がイライラし始めました。そうして、決断を迫るように何が欲しいのと尋ねてきたので、面倒なことになりました。勘弁して欲しい。服を見たいのであって、あなたと話したいわけではない。ヘルプはいらないから、ゆっくり見させておくれ。私が持つ少ない語彙数でこれを伝えようとすると、どうしても攻撃的になってしまい上手く言えません。おまけに相手はイライラしています。そそくさと会計を済まして出てきました。面倒見のいいお店でした。

エンプレスの方面へ歩みを進めます。

日本にいるときから気になっていた場所があります。ミニチュアワールド博物館です。85以上のミニチュアを展示しているようです。

受付の女性が不思議と、とても優しく感じられます。女の子が入り口の展示に見入っています。入る前からこれでは、中に入ってからどれだけ時間がかかることやら。

入場ゲートを突破し、入り口に向かいます。SF感に満ちています。

期待以上の世界観です。宇宙船が浮かんでいます。奥行きもあり、没入できます。家に欲しいです。

こちらも宇宙が舞台です。

スターツアーズのスタースピーダーのような乗り物が車庫に入っていますね。細かい造形に心が踊ります。宝探しをするような、激安の殿堂の店内をくまなく見て回るような、そんなワクワクがあります。

ひたすら興奮するエリアでした。

続いて、第二次世界大戦におけるノルマンディーの戦場です。歴史として残しておくべきであるという意図が詳しく説明されていました。非常に緊迫感のある展示ですので、誤解のないように示す必要があります。ここは、単なる娯楽施設ではないようです。強力なメッセージを発信しています。

恐ろしい光景です。

アメリカ独立戦争の展示です。

銃口の先についているフワフワが気になって仕方がありません。おそらく発砲時の煙でしょう。綿で表現されています。

よく見るといっぱいあります。これが気になり始めると、展示がまるで心に染み入ってきません。

こちらはよく分かりませんが、道端で一悶着あったようです。

すぐ側でパフォーマンスを続ける大道芸人。プロ根性と反骨精神を感じます。

こちらも、何があったのかよく分かりません。革命のような内乱のようなそんな雰囲気です。危ない状況ということは分かります。

彼には助かって欲しいです。

またもや煙が綿で表現されています。これくらい潔く使われていると納得なのですが、先ほどの1人につき1つ小さい綿がくっついているのは、残念ながら滑稽でした。

お肉屋さんを子供たちが覗き込んでいます。お腹を空かせているのでしょうか。救ったあげたいところですが、相手は模型ですので、どうしようもありません。

のどかな風景があります。

Chickens!ここにも現れましたか。博物館にチキンはつきものなのでしょうか。

定期的に暗転し、館内には30秒ほど夜が訪れます。

濃密な世界観が額縁に収まっているということが、魅力を高めます。

暁。

ボタンを押すと汽車も走ります。

おや、入り口で会った女の子が再び現れました。今度は飛行機に見入っています。ミニチュアが大好きなんだね。お父さんが私を気遣って、女の子を引き剥がそうとします。ごめんごめん、ゆっくり見ていていいよ。慌てて立ち去ります。

さて、チキン探しも手馴れたものです。

RBC博物館で見た棒が立っています。トーテムポールです。この施設は先住民への尊重を忘れていません。

名車のオーナーの集いでしょうか。とんでもない台数の自動車が停まっています。

あれ、やる気あるのかな。

サンタクロースの家です。妖精さんがおもちゃを作っています。

ボスは下にいました。

これが最も度肝を抜いた展示。目を疑いました。人間が横たわっています。ガリバーです。ミニチュアサイズのガリバーは、ちょうど赤ん坊のほどの大きさがあり、不気味でした。

妙に優れた造形です。ミニチュアの世界観がこちらの世界を侵食してくると、途端に恐ろしくなります。赤子ほどのガリバーは、しばらく私の脳内を支配しました。すやすやと眠っています。

チキンがどこにいるのか、完全に把握できるようになりました。

おっと、彼は卵ですね。

チキンを探せ。

はい、隠れても無駄です。

チキンを探せ。その2。

お見通しです。

チキンを探せ。その3。

簡単です。人間がどのあたりでチキンを飼うのか分かってきました。

井戸水を汲んでいますね。

ところで、君の顔はどうしたのかな。突然造形が甘くないかい。

ガラスを掃除してくれています。これも、ミニチュアが我々の世界を侵食していると言えるでしょう。彼らの世界観には、本来ショーウィンドウはありませんから。彼らがガラスを超えてこないことを祈ります。

最も美しいミニチュアでした。昼間は大したことはありませんが、暗転時は至高でした。

サーカスエリアが売りのようですが、私の感性を揺さぶりませんでした。

それより、ボタンを押すと王様がこっちを向いてくれる謎の仕掛け。これがたまらなく好きでした。全く得をしないサービスに驚きを隠せません。きっとどこかに生産性があるに違いないと、ボタンを押しまくります。何度こちらを振り向いてくれたことでしょう。私が無知なだけで、王が振り向くこの場面が非常に有名な何かなのかもしれません。光栄でした。

ポストカードを購入しようとして、いくらか聞きました。全て無料頒布とのことでした。驚きです。入場料は$17と少々高めですので、サービスも充実しているというわけでしょうか。観光地としては珍しい優良サービスです。

ミニチュアワールド博物館は、ミニチュアそのものを楽しむことができる施設でありながら、ミニチュアを使ってメッセージを提示してくる施設でもありました。総じて満足でした。それにしても、とにかく街には公共のお手洗いがありません。誰でも使える場所を把握しておかないと、街を安心して歩けません。私は、ベイセンターを頼りにしています。自転車専用道路の拡充より先に、お手洗いの充実が必要ではありませんか、ヴィクトリア。

さて、私の休日はこのあたりでおしまいにしましょう。ダウンタウンを満喫できました。明日はカニを捕まえに行くそうです。

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