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2019年度カナダ語学研修4日目「施設見学」

2019.7.10

中・高共通関連

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ドン、ドン、ドンという音が聞こえてきます。これまで私の前で気を遣って大人しく振舞っていた15歳のプリセラが、最近は大きな声でゲラゲラ笑うようになりました。それ自体はとても嬉しいのですが、今回ばかりはプリセラが奇行に走ったと思い、慌てました。彼女が2階で飛び跳ねているに違いない。そう思ったのです。どんな奇妙な展開が待っているのだろうと、恐る恐る様子を伺いに行きます。そこでは、ホストファザーがすり鉢でスパイスをすり潰していました。スパイスは小さくて硬いので、すり潰すのはかなり力のいる作業のようです。こんなにも大きな音がするものか。ともあれ、プリセラの名誉は守られました。一瞬でもおかしな想像をした自分を恥じました。

ホストマザーのステラは、いつも美味しいカレーを作ってくれます。ホストファザーがすり潰していたスパイスも、今晩のシュリンプカレーの材料になるようです。ステラのシュリンプカレーはとびきり美味しいぞと、ホストファザーから話を聞いていました。私は魚介系のカレーを好んで食べる方ではありませんので、あまり期待しませんでした。

しかし、これを食べてみると、突拍子もなく美味しいのです。丁寧に下処理されたエビから出る出汁と、想像もつかないような配合のスパイスたち。魚介系カレーを元来低く見積もっていたということを差し引いても、それはそれは衝撃的な味わいでした。毎日出てきてもいいと思えるほどでしたので、「これまで食べたカレーの中で一番美味しい」と、ステラに伝えました。すると、彼女は聞いたこともないような元気な声を出して、感謝の言葉を投げかけてきました。感謝しているのは私のはずなのです。しばらくして、ステラが鼻をすすり始めました。調理を続けながら、彼女は泣いていたのです。そうして、「私たちの食を理解し、美味しく食べてくれることが嬉しい」と言ってくれました。私がカナダへ来てから、ステラは食事のことに関しては、面倒なくらい質問してきました。いつも真剣な眼差しで、質問には緊迫感がありました。それゆえ、どれほど美味しい料理でも、安易に絶賛まではできずにいました。きっと、ステラは心配だったのです。日本からやってきた私の口に、インド料理が合っているのかどうか。ここまで柔和なステラの表情を見たのは、今日がはじめてでした。少し安心してくれたでしょうか。こんなことなら、もっと素直に美味しいものを美味しいと褒め倒しておけばよかったと思いました。ありがとうステラ。明日のお昼もシュリンプカレーにしておくれ。そう伝えておきました。

話題は大きく変わりまして、本日の午後の行動を振り返ります。昼食を済ませて、グレンライオン校を出ます。ダウンタウンに向かうため、バス停を目指したわけですが、目的のバスは目の前で発車してしまいました。敗因があるとすれば、気まぐれなバスが定時に来たのが誤算でした。次が来ますから、待ちましょう。

この区間の移動は昨日と同様ですので、バスに乗れば慣れたものです。バスを降り、バディと合流して、州議事堂を見学します。ヴィクトリアは、ブリティッシュコロンビア州の州都であり、議事堂が置かれています。今日は、昨日の行動班と同じメンバーで、バディのみが入れ替わりました。議事堂の職員の方の注意をよく聞き、中に入ります。とにかく静かにしていれば問題なさそうです。仕事場ですからね。

屋内は大変美しい空間が広がっています。

職員の方がガイドをしてくださいました。

しかしながら、真剣にお話を聞いても、私自身、このカヌーのようなものが何なのか、理解が追いつきませんでした。会話ではなく、一方的な説明という点が、理解を困難にしているように感じました。会話においては、こちらの理解が追いつくのを待ってもらうことができますし、分からないことを分からないと思った瞬間に話を遮って質問することができます。しかし、説明を受けるのでは訳が違います。情報の把握が滞ると、その先はまるで頭に入ってきません。

州章です。ガイドさんは「質問はありますか」と、1つの説明を終えるたびに聞いてくれます。ただ、なにぶん理解しようと頭がフル回転の状態ですから、質問を用意しておく余地がありません。私としては、己の無力を悟りました。これも勉強だと己に言い聞かせます。

生徒たちは、真剣に聞く姿勢は持っています。精一杯意味を汲み取ろうと努めているのです。これこそが、意思の受容の第一歩であることは間違いないでしょう。

上を見ろと言われれば、しっかり見ます。

おそらく、屋外に立つ銅像の説明をしています。

真剣に聞いていますね。視線の先はこんな感じでしょうか。あ、これでは銅像を捉えていませんね。これが、理解が追いついていない私の視線です。残念ですね。

ここの扉を離れる際、ガイドさんの「質問はありますか」という問いかけに対して、ここまでずっと首を縦に振り続けていた男が、ついに墓穴を掘りました。ガイドさんは見逃しませんでした。ひたすら首を縦に振り続ける者の存在を。首を縦に振れば、明らかに肯定の意であります。例の通り彼が首を縦に降った瞬間、ガイドさんはここぞとばかりに、「あ、質問があるのね」と突っかかりました。そうですよね、ガイドさん。おっしゃる通りなんですよ。彼はただただあたふたした末に、事なきを得ました。ガイドさんはニコリと笑いました。

席がたくさんあり、発言者用の台のようなものも確認できます。さすがに、ここで議会が開かれるということは分かります。

写真を撮影する人でごったがえしているので、脇にあるプレートを見ながら説明してくれました。

ガラスにある柄が、先ほどの州章とどのように違うかを尋ねられました。前方にいた男子生徒が頑張って答えていました。ナイストライ。

最後の説明を受けます。

最後まで真剣そのものです。力がつくはずです。

こちらも、最後まで真剣、、、。おや。ジェットラグの猛威。

最後は元気にバディとともに記念写真で終わります。美しいですね。

ヴィクトリアの文化に触れるということはもちろん、自分の英語力を測るいい機会となったのではないでしょうか。通用する部分と通用しない部分を明確にして、次に繋げましょう。己の無力を自覚することが、成長への一歩です。

続いて、ロイヤル・ブリティッシュコロンビア博物館の見学に移ります。入る前から、薄気味悪い柱が出迎えてくれました。トーテムポールですね。

入館します。扉だけは妙に趣があります。州議事堂ではバディともあまり話せませんでしたが、ここなら思う存分交流できます。

生徒たちは、このようなワークシートを仕上げながら、館内をバディとともに巡ります。ワークシートの課題は、写真と日本語名を線で結び、英語名を見つけて書くというものです。バディの協力を得ながら、全問正解を目指そう。ここでも、先程の州議事堂と同様の班で行動します。マーカスとミカ、よろしくね!それでは、集合は16時。今から1時間45分後。行ってらっしゃい!

マヤ文明の特別展示が行われていました。行ってみましょう。

土器でしょうか。精巧な造形です。

壁画がありました。「DANCING SCENE」と説明がありますが、一向に踊っている姿が見えてきません。

踊りを読み取るのは7秒くらいで諦めました。大事にされていることは伝わってきました。ケースに入っていましたので。

バディと写真撮影ですね。どんどん交流を深めていきましょう。お互いのためになります。何と言っても、この博物館での活動は、バディとの交流が核です。

美しいエリアに到着しました。ピラミッドの造形を意識して作られていますね。

私、こちらを大変気に入りました。

風情のある顔をしています。

彼女たちも気に入ったようでした。何かが共鳴したのか、同志と呼んでいました。

とても細かい文字が刻んであります。

大きな石版です。

モザイク人形と記述がありました。木片を繋ぎ合わせて、敷き詰めるようにして作ってあるのでしょうか。

ここから、気に入った人形たちを追っていきます。壺の蓋の上にくっついていました。

ここから並ぶ顔は、どれも私が気に入った展示物ですが、何となく共通項を見出すことができます。目は細長く、歯を出しています。こういう顔が好きなのでしょうか。

こちらが、ジャガーだそうな。「The Great Jaguar Rises」という展示の副題ですので、ジャガーが重要であることは自明ですね。マヤ文明において、ジャガーは神として崇拝されたそうです。

続いて、自然史のエリアに移ります。

アンモナイトの化石が並びます。

目を見張ったのが、マンモスの頭身模型の展示です。

野生のマンモスに遭遇したかのような完成度に、息を呑みました。

記念写真。背景が非日常に満ちていて、溢れ出る合成感。

虫です。

顔が気に入りました。

生徒たちは、ワークシートの記入を進めていますね。随分埋まったでしょうか。目的があるだけで、博物館の見学は大きく充実度を増すものですよね。

困ったら、バディに聞いてみよう。

鹿の剥製です。街で鹿を二度目撃しました。カナダでは身近な生き物なようですね。

おっと、ワークシートのヒントを発見したようですね。こっちを向いてと言ったら、学者風のポーズまで決めてくれました。サービス精神に満ちてきましたね。カナダでの進歩でしょうか。

しっかりチェックを終えたら、鹿と撮影。一度は逃げられてしまいましたが、私がカメラを構え続けるのを見て不憫に思ったのか、戻って来てくれました。ありがとう。

熊です。手前にカラスらしき鳥の姿があります。カラスというと、夕焼け空しか浮かびませんが。森にいると不思議です。日本的な感覚が、色濃く私の価値判断に影響していることを自覚しました。

アザラシ。生きているかのようであるがゆえに、かえって死を印象付けられてしまい、悲しい気持ちになってしまいました。

オットセイですね。

吠える吠える。

負けじと真似する海鳥。

またまた、一度は通過しても、やっぱり戻ってきてくれる。ナイスショット。

さて、ワークシートの記述は済んでいますか。マーカスは7度もこの博物館を訪れたというベテランです。とても頼りになりますね。バディと最終確認だ!

2階を後にして、3階に上がります。眺望良好です。インナーハーバー。水上タクシーがあるそうな。ぜひ乗ろうよ。

エンプレスホテル。今回の旅の密かな野望は、エンプレスでコーヒーを飲むことです。公表したので、今この瞬間から野望が「密か」ではなくなりました。

州議事堂。先程はお世話になりました。私は理解が追いつかなかったため、議事堂はまるで敗北の象徴であり、見つめると苦い思いがよみがえります。残りの期間も頑張るぞ。

それでは、ヒトの歴史のエリアへ行きましょう。言語や先住民、ブリティッシュコロンビア州の形成に至るまで、歴史を追っていけるエリアです。

ブリティッシュコロンビア州で現在使われている言語に関する展示があるエリアです。

続いて、ブリティッシュコロンビア州の形成に関する展示です。新しく土地を切り拓いた先人についての展示が続きます。海から来着した者たちがいたようです。大きな船の展示がありました。HMSディスカバリー号です。

陸路で来着したのでしょうか。馬が見えます。それから。

Chicken!まさか博物館でチキンに出会えるとは。立派ではないか。私も誇らしいよ。庭にいるチキンの先祖かもしれません。

次に、やってきた人が国土を段々と発展へと向かわせていく展示です。

水車があります。

不意に水をかけます。リーダーが濡れます。マーカスが爆笑します。こらこら。

続いて、いよいよ州を築いていこうという段階に突入します。古い町並みが広がります。

私のホストファミリーもオススメしてくれた必見ポイントです。

完成度が高く、世界観に没入できます。どこで写真を撮っても絵になります。

そこで、オールドタウンで目一杯かっこつけよう企画発動。これだけエネルギーに満ちた時代の、かっこいい世界観が定まっているならば、かっこつければかっこいいに違いない。リーダーとマーカスが階段に登っていきます。刮目せよ!

どうだ。

20世紀のおもちゃたち。ピカチュウの姿がありました。やはりピカチュウはずば抜けてかわいいです。気づきました。ずば抜けてかわいいです。

時間を作って、お土産を見ていますね。

ショッピングに割ける時間は、案外少ないものです。欲しいものは買えるときに買っておくべきでしょう。私はマンモスの絵葉書を購入しました。

文化や制度に触れ、英語での意思の発信と受信と、盛りだくさんな1日になりましたね。学びを活かすも腐らすも自分次第です。本日の経験から、残りの研修期間に資するような学びを獲得して欲しいと思います。

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